A letter from SANU vol.56|冬深まる森と、未来をつくる時間
ニュースレター

A letter from SANU vol.56|冬深まる森と、未来をつくる時間

本記事では、「A letter from SANU vol.56(2026年1月5日配信)」のバックナンバーを掲載しています。

皆さま、明けましておめでとうございます。豊かな自然の恵みに触れ、新たな1年が幸多き年となりますように。今月のニュースレターは新年のご挨拶とともに、いつもより少し早めにお届けします。 

冒頭の写真は、蝦夷富士(えぞふじ)の愛称で親しまれる北海道ニセコの羊蹄山。均整の取れた末広がりの円錐形が富士山によく似ています。羊蹄山と同じく愛称に富士の冠をかぶる〈郷土富士〉は、なんと全国に300以上もあるのだとか。 

登ると富士山が見えるから、地元で一番高いから、一番美しいからと、さまざまな理由で富士と名付ける人々のまなざしに、今も変わらない富士山への憧れや誇りが重なって見えるようで、ふと心が近づく気がします。 

新年も、自然との関わりを彩るコラムをどうぞお楽しみください。


WONDER'S PATH

vol.3 春の七草を見つけよう

クリスマスからのごちそう続きに、そろそろ胃袋もひと休みさせたくなるころでしょうか。お正月気分も少しずつ落ち着いてきた1月7日の朝には、七草粥を楽しむご家庭も多いかもしれません。 

セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)。
一見特別な顔ぶれに思えますが、実はどれも私たちのすぐそばに息づく野草たちです。 

例えばナズナの正体は、あの「ペンペン草」。音を鳴らして遊んだハートの葉が印象的ですが、食べるのは地面にぺたりと広がるギザギザの葉の方です。

セリやカブ、ダイコンはスーパーでも見かける身近な食材ですが、実は野生種を探すのも面白いかもしれません。たとえば館山1stの海辺道には栽培種のダイコンが逃げて野生化したといわれるハマダイコンがたくさん見られます。 

SANU 2nd Homeの拠点ちかくで探すなら、深い森よりも日当たりの良いひらけた場所が狙い目

軽井沢1st河口湖2nd館山1stの周辺は、野草が多く生えていて探しやすい、絶好のフィールドです。セリは水辺に生える植物なので、小川や水田の用水路まわりなどを注意深く覗いてみてください。

かつては七草を刻むとき、「唐土の鳥が日本の土地へ渡らぬ先に」と囃子歌を歌っていたそうです。これは作物を荒らす鳥を追い払う、「鳥追い」という豊作願いでもありました。

「食べる」という視点で植物を眺めれば、見慣れた景色の中に、冬を越す力強いパワーが満ちていることに気づくはずです。

また、1月15日の小正月には「あずき粥」を食べる習慣も試してみてはいかがでしょうか。七草だけで終わらせないのが、邪気を払い、健やかに一年を過ごすための昔ながらの知恵なのです。

Text by Kiko Kawai
建築部 環境企画分析グループ


NOW IN PROGRESS

今、進行中のホットトピックス

「自然が好きな人たちが、東京で気軽に集まれる場所をつくりたい。」

そんな思いから、中目黒に〈SANU NOWHERE〉がオープンしたのは、2024年9月のこと。以来、僕はこの場所のマネージャーを担当しています。

約1年、「SANUらしい場づくりってなんだろう?」「この場にはどんな意味があるんだろう?」そんな問いをぐるぐる抱えながら、なんとか運営を続けてきました。

開催したイベントは45本、そのうちSANU主催は15本にのぼります。一方、じつは僕自身はスキーもサーフィンもほとんど未経験。そんな自分が自然を語る場を運営していいのかという不安もありました。

暗中模索の1年でしたが、自然の達人たちのリアルな言葉や映像に触れて何度か鳥肌が立つような瞬間を味わえたこともあり、ようやく最近、「まずはこういうことなのかも」と思えるような、SANUらしい場の輪郭が少しずつ見えてきました。

そして、2年目となる今年は、未知への好奇心や想像力が芽吹くようなきっかけを、もっと広く深く届けていきたいと考えています。

自然と暮らすゲストと語り合う〈SANU WONDER TALK〉。
森の香りやリースづくりを通して、都市と自然をつなぐ〈SANU WONDER LAB〉。
そして、NobodySurfと共催し、世界のサーフシーンに浸る〈Surf Clip Night Tokyo〉。

タコス片手に、海の話をする夜があってもいい。森の香りに包まれながら、コーヒーを飲む朝もきっといい。東京のど真ん中に、小さな自然の入口をご用意してお待ちしています。ふらっと話しかけてもらえたらすごくうれしいです。

Text by Ayato Ozawa
NOWHERE室


NEWS

SANUからのお知らせ

1.新建築モデル〈SANU CABIN ARC〉の建築ページを公開しました。亜熱帯の気候に寄り添い、風と光を取り込みながら自然と共存する、独立型の建築です。お披露目は〈奄美大島1st〉から。どうぞお楽しみに。

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2.Web版のSANU 2nd Homeページにて、皆さまの質問にAIが応えるチャットボット機能を開始しました。メンバー画面右下に表示される吹き出しアイコンから、いつでもご利用いただけます。

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3.SANU NOWHEREで開催されているトークイベント〈SANU WONDER TALK〉のPodcast配信がスタートしました。第1回は『本と自然と“WONDER”のあいだで』をテーマに、BOOKS +コトバノイエの加藤博久さんをお迎えしています。

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サービスアップデートの一覧を見る


EDITOR’S NOTE

編集後記

あけましておめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、今回お届けした〈WONDER'S PATH〉のテーマは七草粥。「せりなずな...」と幼いころに囃子歌のように覚えたものの、実際に食べた記憶を手繰り寄せると、もう20年以上も前のこと。我が事ながらその月日の長さに驚きました。皆さんは最近、七草粥を食べましたか?

ある統計によると、1年以内に七草粥を食べた人は2024年時点で約20%。30年前と比べるとおよそ3分の2にまで減っているようです。

しかし作り方を調べてみると案外シンプルで、茹でた七草を炊き上がったお粥に混ぜるだけとのこと。七草はスーパーで便利なセットも買えますし、茹でてから冷凍しておけば1ヶ月ほどは日持ちするそうで、これなら慌ただしい朝にも手軽に食べられそうです。

実は今回、少し無理をいってこのニュースレターを1月5日に配信したのは、私自身、そしてみなさんの「七草粥の準備」に間に合わせるため。これをきっかけに「7日の朝は七草粥を作ってみよう」と思ってくださる方がひとりでもいたならば、このレターをお届けした意味が少しはあるのかな、と思います。 

自然に近い距離で暮らしていた先人たちが、健やかに生きるために繋いできた習慣。それを実践することは、当時の営みを追体験することでもあると感じています。私も今年は七草粥を味わって、健やかに新年をスタートさせようと思います。

Text by Hinako Yoshimi
ワンダー推進室

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