本記事では、「A letter from SANU vol.61(2026年6月15日配信)」のバックナンバーを掲載しています。
しっとりとした空気に梅雨の気配を感じる頃となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
雨上がりの森を歩くと、濡れた土の香りや虫たちの息吹、いつもよりなんだか艶かしい緑に、思わず足を止めたくなります。
そんな季節の移ろいに寄り添いながら、今月もいくつかの取り組みをお届けします。
WONDER'S PATH
vol.7 世界中からやってきた草花たち
先日、SANU 2nd Home 館山1stで、植栽の手入れと植え替えをしました。館山1stは海まで徒歩30秒。視界を遮るものがなく、これまで八ヶ岳のような山側の拠点をなんとなく好んでいた私も、また違った開放感と清々しさを感じる場所です。
ただ、海に向かって遮るものがないということは、“自然の力を真っ向から受ける”ということでもあります。そよ風は気持ち良いですが、ときには強い潮風も吹きます。私たちは室内に入り窓を閉めることができますが、開業時に植えた木々たちはそうはいきません。実はその影響もあって、多くの木がうまく育たず、枯れてしまったのです。
そこで今回は、風の影響を受けにくい草原をつくり出そうと、木ではなく「草の仲間」を中心に植え替えを行いました。同時に、拠点内にどんな植物が生えているのだろうと、図鑑を片手に、ひとつひとつを確かめながら歩き回り、植物リストを作ることにしました。
おもしろかったのは、日本でお馴染みの草花たちも、実は他の国からやってきたのだという事実です。例えばシロツメクサやカラスノエンドウは、100年以上前に日本にやってきたそう。そこかしこで見られる彼らがまだいなかった時代の日本の草原はどんな姿だったのでしょう。どんなお花で花冠を作っていたのだろうかと想像が膨らみます。
遠くから、長い旅を経てこの土地に根づいた草花たち。
次に館山を訪れたときは、海だけでなく、ぜひ足元にも目を向けてみてください。「草むら」という名前で一括りにしていた空間には、それぞれの名前とストーリーを持つ植物たちが暮らしています。
Text by Shuko Iwata
リジェネラティブ推進室
NOW IN PROGRESS
今、進行中のホットトピックス
昨年もご好評をいただいた、「自然と共に生きる。」を体感するプログラム、SANU Regenerative Clubの今年分の受付を開始しました。
私たちは、「サステナブル」を超え、SANUが広がるほど地球が豊かになる「リジェネラティブ」という思想を掲げています。本プログラムは、その思想を体現する方々をナビゲーターに迎え、皆さんと一緒に身体を通して学び、実感する体験型のプログラムです。
今年最初の企画は、八ヶ岳南麓で地球再生型の暮らしを学び、 オーガニックファームで夏野菜の収穫を体験する1日。パーマカルチャーデザイナーの四井真治さんと農家の石毛康高さんを迎え、これからの暮らしを考えます。
9/5(土) Soil Cycle|暮らしにいのちを宿らせる

続いて、 千葉県大多喜町、薬草園跡地の蒸留所「mitosaya」を舞台に、植物の豊かな恵みを味わう贅沢な体験。蒸留家の江口宏志さんと一緒に植物を観察しながら、ハーブや果物の収穫、植え替えに挑戦します。イタリアン「青」による特別メニューとmitosayaのドリンクがご褒美。
10/3(土) Cultivation|手入れが巡りをつくる

最後は、南アルプスの日向山で登山道の観察と整備をする二日間。登山家の花谷泰広さんからこれまでの山と人の関係を学び、未来への道の繋ぎ方を一緒に考えます。登るだけではない、新たな山との関わり方となるはずです。
10/10(土),11(日) Trail Maintenance|火を囲み、山を歩き、道を繋ぐ

正直なところ、このプログラムを誰よりも楽しみにしているのは私かもしれません。
それは、リジェネラティブという直感的に少しわかりにくい考え方を、私自身に実感を伴って教えてくれたのが各回のナビゲーターの皆さんだからです。それぞれの場で、自然との多様な関わり方や視点をお裾分けできることを楽しみにしています。
詳細・お申し込みは各リンクよりご覧いただけます。
定員に限りがあるため、ぜひお早めにお申し込みください。
9/5(土) Soil Cycle|暮らしにいのちを宿らせる
10/3(土) Cultivation|手入れが巡りをつくる
10/10(土),11(日) Trail Maintenance|火を囲み、山を歩き、道を繋ぐ
Text by Sumito Ueno
リジェネラティブ推進室
NEWS
SANUからのお知らせ
1. SANU Regenerative Action Report 2026の製本版を全室の本棚に設置しました。「自分たちの営みは本当に自然を豊かにするのだろうか?」と問うことから始まり、これからの指針を示したレポート。滞在中に読んでいただけると嬉しいです。
2. モバイルアプリ・WEBアプリから〈付帯サービス〉の予約ができるようになりました。予約カレンダーでは、拠点ごとに利用できるサービスを事前に確認でき、宿泊予約の完了後はWEBアプリの予約カード、またはアプリのホーム画面からそのまま付帯サービスの予約へと進めます。予約から当日の利用手続きまで、アプリひとつで完結します。
EDITOR’S NOTE
編集後記
先日、久しぶりに河口湖エリアに宿泊し、早朝からSUP(スタンドアップパドルボード)で西湖の穏やかな水面を楽しんできました。当日ガイドをしてくれた方は、SUPやカヌーを主戦場にしながら、スキーやスノーボード、トレイルランニングも横断的にこなす方。
なぜそんなに種目をまたぐのかと聞くと、意外な答えが返ってきました。どの種目も、根本的にやっていることは同じだとのこと。自然の力を受けて、それに反発したり寄り添ったりしながら自分の動きを実現するのはどれも共通だということです。
たしかにサーフィンやSUP、スノーボードに共通要素が多いのはなんとなく想像できる。一方、一見まったく異なるように思えるトレイルランニングについての話が、特に印象的でした。「水は常に効率的なルートを選んで流れるので、僕らも水の通り道を走るのが一番エネルギーを使わない。だから山を走るとき、いつも自分が水だったらどこを通るかを考えているんです」。水で山を読む。思ってもみない切り口から、異なるフィールドがひとつの原理でつながっていく感覚が新鮮でした。
ガイドさんに連れられて自然の中に身を置くと、都市では気づけない視点に出会うことがあります。夏が近づき、自然が心地よい季節。SANU Regenerative Clubをはじめ、その道を知る人と一緒に自然へ入る機会を活かしながら、今年も各地へ積極的に足を伸ばしていきたいと思っています。
Text by Hinako Yoshimi
ワンダー推進室