みちくさ探訪 ― 家族と奄美大島
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#奄美大島

みちくさ探訪 ― 家族と奄美大島

自然とすごす、奄美大島1泊2日の家族時間。 今回の舞台は、鹿児島県・奄美大島。 亜熱帯の森と、目の覚めるような青い海に抱かれた、世界自然遺産の島です。 本記事では、SANU 2nd Homeへ向かう道中で見つけた風景や、子どもと一緒に立ち寄りたくなるスポットをご紹介します。

【1日目】島の恵みを集めて、海辺のキャビンへ

12:00 kulu-kuluで、海を眺めながらイタリアンランチ

奄美空港でレンタカーを借りて、まず向かったのは海沿いに佇むイタリアンレストラン「kulu-kulu」。ガラス戸を開けると、目の前にサンゴ礁の海が広がっている。テラス席にしてもらい、3人並んで腰を下ろすと、息子はすかさず「うみ!」と窓の外を指差した。

ランチは、島の旬の食材を使ったパスタや薪窯のピザ。私は島野菜のパスタ、夫はシラスと島ネギのピザ、息子用には別の取り皿でピザを取り分けてもらった。塩気の効いた風と、皿の上に乗った島の恵み。「奄美に来た」という実感が、最初のひと口からじわりと広がっていく。

📍kulu-kulu
奄美大島北部・笠利町の海沿いにある小さなイタリアンレストラン。大阪でイタリアンを17年間営んでいたオーナーが移住して開いたお店で、島の旬の食材を使ったパスタやピザが楽しめる。テラスでの食事も可能。完全予約制(電話のみ)のため、訪問前に必ず連絡を。営業時間はランチ11:30〜15:00/ディナー18:00〜22:00

14:00 pokka pokkaで、古民家のパン屋へ

ランチのあとは、大勝集落の古民家で営む小さな手作りパン屋「pokka pokka」へ向かった。自家酵母で丁寧に焼き上げたサワードゥブレッドやパン・オ・ショコラが並ぶ、知る人ぞ知るお店だ。

扉を開けると、奥から焼きたての香りが流れてきた。小さな店内の棚には、表情の違うパンが少しずつ。私はベーグルを、夫はパン・オ・ショコラを、息子は丸い形のパンを「これがいい」と指差して選んだ。

📍pokka pokka
大勝の古民家で営む小さな手作りパン屋。自家酵母で丁寧に焼き上げたサワードゥブレッドやシナモンロールなど、風味豊かなパンが並ぶ。小麦と水だけから生まれる、この場所でしか出会えない味。営業時間は火〜土10:30〜18:00、不定休あり。

15:00 ビッグツー奄美店で、夜ごはんの材料を

おやつでひと息ついたら、今夜の夕食の食材を調達しに「ビッグツー奄美店」へ。奄美の特産品や生活雑貨、食品まで何でもそろう大型スーパーで、店内も駐車場も広々しているので、子連れでも気兼ねなく立ち寄れる。

棚を眺めていると、奄美ならではの食材が次々と目に飛び込んでくる。ハンダマ(水前寺菜)、島オクラ、青パパイヤ、それから島豚や地魚。今夜は島野菜たっぷりの手巻き寿司にしようと決めて、寿司用の海苔やすし酢、島豆腐も買い物かごに入れる。発酵飲料「ミキ」、蔵元違いの黒糖焼酎を2本、明日の朝食用のフルーツも一緒に。

📍ビッグツー奄美店
奄美の特産品や生活雑貨、食品、レジャー用品まで幅広く取り揃える大型スーパー。SANU 2nd Home 奄美大島1stから車で約17分。特産品コーナーでは一定金額以上の購入で配送費無料で自宅へ郵送可能(酒類は対象外)。駐車場450台、子連れにも嬉しい。営業時間は10:00〜20:00、無休(元旦のみ臨時休業の可能性あり)。

海辺の道から、セカンドホームへ

キャビンまでは20分ほど。窓の外を流れていくのは、ソテツの茂みと、はっとするほど青い海。サトウキビ畑の合間から、白い砂浜と岩礁が交互に顔を出す。「海がついてくるね」と後部座席の息子。

16:00 チェックイン、家族だけの時間がはじまる

キャビンのドアを開けると、まず目に飛び込んでくるのは大きな窓と、その奥に広がる空と海の青。波の音が、低く、たえず聞こえてくる。
息子は靴を脱ぐのもそこそこに窓辺へ駆け寄り、しばらくただ外を眺めていた。夫が買い物袋をキッチンに運びながら「いいね、ここ」とぽつりと呟く。

17:00 崎原ビーチで、夕方のお散歩

少し休んだら、キャビンから車で20分ほどの「崎原ビーチ」へ。知る人ぞ知る穴場のビーチだと聞いて、夕方の時間帯を狙ってきた。
木々のアーチをくぐり抜けると、目の前にパウダー状の白い砂と、コバルトブルーの海が広がった。

息子は迷わずサンダルを脱いで波打ち際へ走り出す。寄せては返す波と一緒に、貝殻や小さなサンゴのかけらを集めはじめた。夫は息子のあとを追って波打ち際まで歩いていき、しゃがみ込んで何かを覗き込んでいた。きっと小さなヤドカリでも見つけたのだろう。
日が傾きはじめると、空と海の境界がだんだんと曖昧になり、世界全体が淡い橙色に染まっていく。

📍崎原ビーチ
SANU 2nd Home 奄美大島1stから車で約22分。木々のトンネルを抜けた先に広がる、白砂とコバルトブルーの海が美しい穴場ビーチ。海の透明度が高く、シュノーケリングにも最適。運が良ければウミガメと出会えることも。

19:00 キッチンで、島野菜の手巻き寿司

キャビンに戻り、夕飯の準備にとりかかる。
私はハンダマや島オクラを切り分け、お刺身を皿に並べていく。隣で夫が炊きたてのご飯にすし酢を回しかけて切り混ぜる係。息子は「ぼくがやる!」と海苔をテーブルに並べる役を引き受けてくれた。

3人並んで、思い思いに具を巻いていく。お刺身、卵焼き、島野菜、それから「変な巻き方をしてみる係」を自任した息子の、にぎり寿司なのか巻き寿司なのか分からないオリジナル作品。
乾杯のグラスには、夫と私は黒糖焼酎を少しだけ、息子には冷えた「ミキ」を注いだ。外はもう真っ暗で、窓の向こうには満天の星。波の音だけが、静かにずっと聞こえている。

【夕食のメニュー】
・島野菜と地魚の手巻き寿司
・ハンダマと島オクラのおひたし
・島豆腐の冷奴
・乾杯用に発酵飲料「ミキ」(息子)、黒糖焼酎(大人)

【2日目】森と海と、島の物語に出会う

6:30 鳥たちの声で目覚める朝

普段の生活では聞こえないような、いくつもの種類の鳥のさえずりで目が覚めた。あとで調べたら、奄美固有種のルリカケスやアカヒゲもこの島には暮らしているという。
夫と息子がまだ眠っているあいだに、そっとキャビンの外に出る。ただ海と空を眺めるだけ。

8:30 ピロティで、島のフルーツを並べる朝

家族が起き出したら、ゆっくり朝食の準備にとりかかる。今朝は、キャビンの下にある吹き抜けのピロティにテーブルを出すことにした。屋根はあるけれど壁はなく、海風がまっすぐに通り抜けていく。

夫がコーヒーをハンドドリップで淹れているあいだに、私は昨日買っておいた島のフルーツを並べていく。スイカを大きく切り、まな板の上にはマンゴーをひとつ。籐のカゴにはタンカンやグァバ、島バナナを盛り合わせて。

「pokka pokka」のカンパーニュを軽くトースターで温め直し、フルーツの隣には、ビッグツーで見つけた郷土菓子「島どーなつ」を添えてみた。黒糖をまとった丸い揚げ菓子で、素朴な甘さがぎゅっと詰まっている。
息子は赤いスイカに目を輝かせ、両手で持ち上げて頬張った「あまーい!」と息子の声が、ピロティの天井に小さく反響した。

【朝食のメニュー】
・地場産スイカ
・マンゴーとタンカン、グァバ、島バナナの盛り合わせ
・「pokka pokka」のカンパーニュ
・奄美の郷土菓子「島どーなつ」
・島産オレンジジュース
・ハンドドリップコーヒー

【チェックアウト後】帰りのフライトまで、もう少し島時間を

11:30 二つの海が見える丘で、島の地形を体感する

キャビンを後にして、まず向かったのは車で20分ほどの「二つの海が見える丘」。島を挟んで左側に東シナ海、右側に太平洋――ふたつの海を同時に見渡せる絶景ポイントだ。

地図で見れば奄美大島が細長い島であることはわかる。けれど、丘の上に立って実際に左右に海を眺めてみると、その細さが体感として迫ってくる。「島って、こんなふうにできてるんだ」と、息子が首をぐるりと回した。

📍二つの海が見える丘
SANU 2nd Home 奄美大島1stから車で約25分。東シナ海と太平洋を同時に望める高台のビュースポット。午前中は逆光になるため、空と海の色を楽しむなら昼前〜午後にかけての訪問がおすすめ。

12:30 けいはん ひさ倉で、奄美のソウルフードランチ

ランチは、奄美の郷土料理「鶏飯(けいはん)」の名店「ひさ倉」へ。

鶏飯とは、ほぐした鶏肉、錦糸卵、椎茸、薬味などをご飯にのせ、熱々の鶏ガラスープをかけていただく奄美の郷土料理。店主自ら近くの養鶏場で育てた地鶏から引いたという澄んだ黄金色のスープを器に注ぐと、ふわりと立ち上る湯気と香り。

息子は最初、ご飯にスープをかけるという食べ方に戸惑っていたが、ひと口食べると「これ、おいしい!」と目を丸くした。お土産用のレトルト鶏飯も売っていたので、家でも再現できるよう一袋買って帰ることにした。

📍けいはん ひさ倉
SANU 2nd Home 奄美大島1stから車で約8分。奄美の郷土料理「鶏飯」を看板に掲げる食堂。店主自ら育てた地鶏から引いた澄んだスープが自慢。営業時間は11:00〜16:00(L.O. 15:30)、不定休。

14:00 空港へ向かう前に、もう一度だけ海を

空港に向かう途中、もう一度ビーチに立ち寄った。
昨日は夕暮れに包まれていた砂浜が、今日は午後の陽射しの下で、まったく違う表情を見せていた。海の青はさらに鮮やかに、白い砂は眩しいほどに光っている。

旅のふりかえり

SANU 2nd Home 奄美大島1stでの滞在を終えてから、いくつかの夜が過ぎた。
夜、家のキッチンで洗い物をしているとき、ふと耳の奥で波の音が聞こえる気がする瞬間がある。

セカンドホームとは、もう一つの「場所」というよりも、もう一つの「時間の流れ方」なのかもしれない。波の音と、鳥のさえずりと、家族の声しか聞こえないような、静かでゆっくりとした流れ。それを一度知ってしまった身体は、また次に向かう日を、自然と心待ちにしている。

息子のポケットには、まだあの日の砂が少しだけ残っている。きっとそれは、洗濯機で洗われて、いつかなくなってしまうけれど、彼の中の何かは、もう少し長く残ってくれるはずだ。

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